このたび、理事会に承認をえて、日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会理事長を 退任いたしました。1993年本医学会の前身である日本関節運動学的アプローチ(AKA)研究会の発足以来、理事長として勤めて参りましたが、年齢的に体力の限界を感じ、数年来退任を希望していました。
本医学会は日本AKA研究会の発足から27年になり、会員数はようやく500人台に達し ました。その間、2002年には Federation Internationale de Medicine Manuell(FIMM) にも加入しました。会員数においてはFIMM参加国のなかでも多い団体で large country に入ります。FIMM入会後、2004年には workshop において住田理事ほか3名がAKA-博田法の技術講習会を開催しました。AKA-博田法は周知のように徒手療法領域と運動療法領域からなりますが、FIMMは徒手療法の国際学会です。ここにおいてもAKA-博田法の卓越した理論と技術を理解させるには、国内におけると同様に、啓蒙を継続する必要性が感じられます。その理由の最大なものは関節神経学の臨床応用、とくに arthrostatic reflex の重要性と、関節原性の関連痛の存在にあると思われます。
AKA-博田法の運動療法領域に関しては、関心のある医師はごく少数です。したがって、主たる担当者は理学療法士になりますが、処方を書く医師もある程度基本技術を習得することが望まれます。この技術は副運動技術と構成運動技術を含みますが、後者は関節神経学的治療法(ANT)と組み合わせることにより、著しい効果を示しますので、指導医、専門医にはANTの技術講習も継続していきたいと考えています。ANTは運動療法に必要なだけでなく、感覚障害、高次脳機能障害、痙縮、RSDなどにも有効であることが、新たにわかってきました。
AKA-博田法はこのたび商標登録が認められることになりました。これにより許可なくしてAKA-博田法を標榜できなくなりますので、標榜許可基準を検討したいと考えています。
私自身は今後もAKA-博田法およびANTの開発普及に尽力をいたす所存です。会員の皆様には、片田理事長を支え、AKA医学会の発展のためにご協力くださるようお願い申し上げます。