一般的に患者さんは、立った位置での診察の後、ベッド上で仰向けになり神経学的な検査や評価等を受けた後、最初は横向きの姿勢で治療を受けるのが普通です。もちろん通常の診察と同様に、レントゲンや血液検査の結果等も参考にします。
まず治療を受ける場所は、腰を中心とした背骨の近くが一般的です。中でも最も重要なのは、腰骨の下にある仙骨と骨盤との関節です。ここを、仙腸関節(せんちょうかんせつ)といいます。この仙腸関節を手で軽く動かすわけですが、実際に動く範囲は1〜2mmといわれており、ほんのわずかな動きを手で感じ医師は治療をするのです。ごくわずかな動きですので、患者さんは痛みを感じないのが普通で、ただ触っているだけだった、とおっしゃる患者さんもいるくらいです。しかし、この治療手技はかなりの集中力と熟練を要し、誰でもできるというものではありません。自ずと1日に治療できる患者さんの数も限られてくるのが現状です。こうした、仙腸関節を中心とした関節の機能障害を徒手的(手を使って)に治療する方法がAKAなのです。 AKA治療の際、一人の患者さんに要する時間は、診断結果や重症度によって異なります。治療頻度については2〜4週に1度が一般的です。あまり頻繁にAKAを行うと、かえって痛みが増すことが多く、症状が落ち着いている場合は、半年に1度程度の受診で十分な場合もあります。 仙腸関節の他にも、肋骨と背骨の関節、背骨同士の関節、時には手や足の関節等も障害を受けている程度に応じて治療を行います。手や足の関節等を治療する際には、再び仰向けになることやベッド上に座ることもあります。 このようにみてきますと、患者さんがAKA 治療を受ける際には、特別な覚悟や心配などすることもなく、ごく一般の診療と同じような気持ちで治療が受けられるのではないかと思います。 尚、一般レントゲン検査や血液検査、MRI等は、それぞれの診察に当たった医師が判断し、事前に資料がなかった場合には、必要に応じて行う場合があります。これは、AKA治療の補助資料にする場合や、AKA治療の適応外の疾患が疑われる場合があるからです。 |